賢人の雑学:灯台へ行こう!
[賢人の雑学]
福井栄一の上方志向 (2008.08.09)


1876年7月20日、明治天皇が東北巡幸を終え、灯台巡視用の汽船に乗って横浜港に帰港しました。これにちなんで、1941年に制定されたのが「海の記念日」です。その後、1996年に国民の祝日「海の日」になりました。祝日法の改正により、2003年からは7月の第3月曜日と定められています。
海と聞いて、あなたはなにを連想しますか。 打ち寄せる波、白い砂浜、群れ遊ぶカモメ、沖を航行する船などとならんで、海の情景に欠かせないものと言えば、「海の記念日」の逸話にもチラリと登場した、灯台でしょう。
恋人たちの恰好のデート・スポットとして、あるいはいたずら小僧たちのお気に入りの遊び場として、灯台は映画や小説に頻繁に登場します。
けれども、実際には、一般人に開放されている灯台は、数が限られています。これを参観灯台といい、全国でわずか10数ヵ所に過ぎません。
上方の地で挙げるとすれば、和歌山県東牟婁郡串本町の潮岬灯台(北緯33度26分15秒、東経135度45分16秒) がそうです。1873年に正式点灯された歴史ある灯台で、当時の八角形の木造灯塔は、日本最初の洋式木造灯台でした。5年後には、石造の白色塔形に改造されています。
自慢の120センチ投光器が15秒おきに放つ白閃光は、光度97万カンデラで、19.0海里(約35キロメートル)先まで到達します。
地上から灯塔の頂部までが22.51メートル、平均水面上から灯火までが49.47メートルという高みからの眺望は、まさに絶景。眼前には美しい海が茫洋と広がります。また、はるか彼方の水平線は直線ではなくて円みを帯び、地球が球体であることを思い出させてくれます。
海水浴場や水族館だけではどうも飽きたらない、というあなた。今年の夏の観光メニューに、灯台探訪を加えてみては如何ですか。
筆者プロフィール

[上方文化評論家] 福井栄一さん
上方舞を中心とする上方の芸能、歴史文化に関する評論を発表するとともに、各地で精力的に講演活動を行う。著書に、
『上方学』(PHP文庫)、『にんげん百物語』(技報堂出版)、
『大阪人の「うまいこと言う」技術』(PHP新書)、
『ぼく いちびり』(プラネットバルン)、など執筆多数。
http://www7a.biglobe.ne.jp/~getsuei99/
バックナンバー
- [賢人の雑学] 福井栄一の上方志向 『女の業と紅葉』 (2008.11.11)
- [賢人の雑学] 福井栄一の上方志向 『平成の遣唐使のぼやき』 (2008.09.11)
- [賢人の雑学] 福井栄一の上方志向 『臭いと匂い』 (2008.09.11)
- [賢人の雑学] 福井栄一の上方志向 『灯台へ行こう!』 (2008.08.09)
- [賢人の雑学] 福井栄一の上方志向 『「百舌鳥」と正しく書きませんか?』 (2008.07.11)



