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賢人の雑学:ヒモノ談議

[賢人の雑学]

程 一彦の一日薬膳

ヒモノ談議
程 一彦の一日薬膳
 

前回、温泉旅行の楽しみは、温泉もさることながら、道中の食べ物が何よりの楽しみだというお話をしましたが、今回はその続きです。

丹後半島への旅の際、駅前の海産物屋の店先にぶら下がった蛸の足に引き続き、カレイの干物も目にとまりました。作業場を見ていると「よかったら中に入ってください」と言う主人の言葉に甘えて見学し、即席で魚干物料理教室の生徒になりました。

ヒモノ談議アジとカレイはまず〈掃除〉です。魚の鱗は金タワシで擦ると簡単に落ちます。次に、小ぶりな出刃(ぺティナイフも使う)で魚を開き、歯ブラシで内臓を洗い流します。「金タワシと歯ブラシは魚の掃除に便利ですよ」と主人。掃除の後は〈味付け〉です。身のぶ厚いアジは、塩水に浸ける〈立塩〉。身が薄いカレイは、〈振り塩〉をしてからサッと塩を洗います。みりん干しはゴマを振りかけます。最後は〈陰干し〉ですが、「昼間は干しすぎると身が縮んでやせるので注意を」とは、ご主人のアドバイス。夜間だから「一夜干し」だなと一人納得しました。温風乾燥(オレゴントンネル方式)の干物は天日ものより色と姿が良く、形は揃っていますが、味は全然違いますよ。

そして店の奥からご主人のお母さんが「炭火で焼きました」とくださったカレイは、人情がたっぷり含まれ胸が熱くなりました。

旅の楽しさは食べ物と未知との遭遇です。おいしい物を食べるコツは、その場所に行って食べるのがベストです。旅先でおいしい物を持ち帰っても旨味が微妙に違い、がっかりした経験があります。その理由は空気中の酵母やバクテリアが異なるからだとか。「地産地消」は美味の原点ですね。

筆者プロフィール

程 一彦さん

[料理研究家] 程 一彦さん

1937年大阪生まれ。灘高校・関西学院大学卒。
新台湾料理龍譚(リュータン)2代目オーナーシェフ、マスコミや講演などで幅広く活躍。和・洋・中にわたって食と健康の関わりを追究し、“料理のことならテイさん”といわれるくらい定評がある。

 

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