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賢人の雑学:震災ボランティアと炊き出しレシピ(1)

[賢人の雑学]

程 一彦の一日薬膳

震災ボランティアと炊き出しレシピ(1)
程 一彦の一日薬膳
 

阪神淡路大震災の折、料理人たちと始めた炊き出しが、私には大量に作る食事の貴重な経験になりました。

避難所の一つ、灘高校グランドでは用意した「五目マーボ豆腐」2000食分が足らなくなり、困っている時ハッと良いアイデアが閃きました。

「灘高校の救援本部には硬くなって使わない食パンが沢山ある。マーボ豆腐の豆腐がなくても食パンで代用したら…」作ってみると、実に美味な『マーボパン』が完成しました。

この日は合計2500食分、1回の数量としては最高記録です。直径1メートル弱の大きな鉄鍋で、火力は薪がベストです。

厳寒の冬の戸外では、プロパンガスなら1時間たってもスープは沸騰しませんが、倒壊した家屋の廃材を薪にすると20分間ほどで沸きます。火力には木材が最適だと痛感しました。

汁気のあるもの、熱いもの、野菜たっぷりで満腹できる料理!が多くの罹災者の希望です。「パンやサンドイッチ、握り飯は最初の内は嬉しいが数日間続くと飽きますよ」と教えてもらいました。

震災の後、毎週1回の炊き出しを40回も継続できたのは、鍋を持って行列に並んでいるとある女性の言葉からでした。「程さん、次はいつ来てくれますか?大抵のボランティアは続いて来てくれないので…、聞いてみました」。その問いかけが、私たちの心の支えになりました。

炊き出し用にと考えたレシピは豚ひき肉、木綿豆腐、野菜は人参・大根・小松菜、赤黄緑の交通信号三色です。三色揃うと見た目に美しく、ビタミンとミネラルがたっぷりです。

香味材料は食中毒防止と体を温める薬膳効果のあるニンニクと生姜のみじん切りに豆板醤です。作り方は(1)豚ひき肉を人数分の水で溶き、香味材料と共に煮る。(2)サイコロに切った野菜を加え、(3)醤油、酒、ゴマ油、胡椒で味付けする。(4)水溶き片栗粉でとろみをつけ、(5)豆腐を入れたら完成です。ボランティア仲間と食品メーカーに支えられた震災の体験がベースになり、メニューと主旨は違いますが、現在でもボランティア活動を年に数回続けています。(続く)

▽お知らせ
阪神大震災メモリアルチャリティージャズコンサート
2008/1/20(日)14時 関西学院会館
▼3500円▼私は懐かしいジャズを唄います。
詳しくはTEL06・6375・0010 程さんの店リュータンまで

筆者プロフィール

程 一彦さん

[料理研究家] 程 一彦さん

1937年大阪生まれ。灘高校・関西学院大学卒。
新台湾料理龍譚(リュータン)2代目オーナーシェフ、マスコミや講演などで幅広く活躍。和・洋・中にわたって食と健康の関わりを追究し、“料理のことならテイさん”といわれるくらい定評がある。

 

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