賢人の雑学:苦労は買ってでも…。
[賢人の雑学]
佐藤弘樹の英語回帰 (2007.08.31)


四苦八苦してこの原稿を書き上げるのは毎度のことだが、四苦八苦とは人生の苦しみ全てを表す深い言葉。まず四苦の4つの苦しみとは生老病死。生まれて生きること・老いること・病気になること・死ぬこと。つまり、生まれてから死ぬまでの人生を生きること自体が苦しいことに他ならない、と昔の偉い人は考えたようだ。随分悲観的だが、世の中の慶事である誕生を苦悩の始まりとすると人生も随分違って見える。そう言われてみると赤ちゃんの産声も「生まれてこられてよかったオギャー」よりは「やばい! 生まれちゃったよオギャー」なのかもしれない。そもそも日本語のオギャーという音は嬉しくて楽しくて仕方がない時の擬音には使わない気もする。
続いての4つの苦しみは愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五陰盛苦と難しい漢字が並ぶ。愛別離苦とは愛する者との別れの苦しみ。怨憎会苦とは憎たらしい奴に会う苦しみ。世の中、好きな人と気のおけない友達としか付き合わず楽しいことだけしていられたらどんなに幸せかとも思うけれど、現実には嫌な上司・同僚や先生・同級生は必ずいてそういう人に限って嫌なことを強要する。
求不得苦とは求めるものが得られない苦しみ。「欲しいけど高いから無理」から「あんな風になりたいけれど私には無理」までフラストレーションの溜まることの何と多いことか。五陰盛苦はそもそも五薀盛苦といい、五薀の薀は集積の意味で色・受・想・行・識の五つが集まったもの。色は肉体、受は感覚、想は想像、行は心象、識は意識を表す。つまりはHな気持ち、痛いと思う感覚、たくましい想像力、心象風景、自意識が”過剰“で困ってしまう状態。「あぁ、俺だ俺だ」と笑っている場合ではない。
これだけ網羅的に人生の苦悩についての指針を示してくれる四文字熟語の四苦八苦には驚くばかりだが、ちなみに手許の和英辞典で四苦八苦を引いてみると”be in great trouble“とあった。「グレイト虎舞竜」ねぇ。プロレスラーじゃあるまいし…。
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