賢人の雑学:言語の英語、ことばの英語
[賢人の雑学]
佐藤弘樹の英語回帰 (2007.10.04)


9月といってもまだまだ暑い日は続くが、大学生にとっては秋学期の始まる季節。大学教員にとっては春学期に教えたことをきれいさっぱり忘れてニコニコしている学生諸君に再び会える季節。
英語を中学以来イヤと言うほど勉強させられている大学生は、英語を「言語」と捉えるか「ことば」と捉えるかのグループに分けられるような気がする。言語理論を専門に研究するA大学と、芸術を専攻しついでに「ことば」もできたら便利というB大学では、「英語」と聞いた時の反応はまるで異なる。左脳人間と右脳人間の違いともいえようか。
『秋は好きですか』と英語で質問をしたとしよう。A大学の学生は、まずautumnにtheをつけるべきかで悩む。「イギリス英語では通例つけないがアメリカ英語ではしばしばtheをつける」という辞書の説明を見つけるまであれこれ思い悩む。次にそもそも「秋とはいつを指すのか」と考えてまた眠れなくなる。
B大学の学生は、解答が早い。I love it. か I hate it. これでおしまい。あまりにそっけない返事に理由を考えようとするが、「だって嫌いな(好きな)ものは嫌い(好き)だからしょうがない」を I hate (love) it because I hate (love) it. と訳しても英語として変だなと思い、諦める。
B大学の学生にとって授業中の文法解説は全員を眠らせる催眠術。A大学の学生にとって授業中の「言葉遊び」は不謹慎の極み。「先生、ちゃんと授業して下さい」と怒られる。
江戸時代の町奉行、遠山金四郎には銀次という子分がいて、二人はこんな会話をする。
金さん:「よぅ、銀次」
銀次: 「へぃ」
平成の世、高校生の銀二は幼なじみアメリカ人Peterと何年かぶりの再会を果たす。
Peter : “Yo, Ginji.”
Ginji : “Hey!”
この話し、日本語と英語のenunciation(文発音)を考える上で有用だと思うのだが、B大学ではバカうけなのに、A大学では甚だ評判が悪い。
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