賢人の雑学:字幕万歳!?
[賢人の雑学]
佐藤弘樹の英語回帰 (2008.08.09)


今回は映画の話、といっても名画のご紹介ではない。洋画の吹き替え版が増えているという話し。アニメだけではなく、実写版でも吹き替え率が高まっている。今の字幕はスクリーン中央下に最大横13文字で2行のスタイルが定着しているが、ここ数年、字幕を読みきれないという声が寄せられるようになったと言う。
そもそも日本語字幕は1秒の英語のせりふを訳す際、最大で4文字までという制約があり、それが、人間が読める限界とされる。つまりI'm so sorry. は「ごめんね」「すまない」「悪いな」「御免御免」「気の毒に」「そりゃ残念」くらいしか字幕をつけられない。ここで威力を発揮するのが表意文字である漢字なのだが、最近は平易な漢字でも「字幕の漢字が難しすぎる」という苦情が制作配給会社に寄せられていると言う。 「漢字を読めない私は悪くなくて私の読めない漢字を使うあなたが悪い」は今の日本を象徴しているのか。そこで映画の制作配給会社はなるべく漢字を避けたりルビを振ったりするがそれにも限界があり、結果として吹き替えが増えていると言う。しかも問題はそれだけではない。終戦直後にスパイが暗躍するある映画の試写会の後、「ソ連って何ですか?」「ナチスって何?」という感想が真顔で寄せられたという。
「知らないなら知る努力をしなさい!」とか「こんなことも知らないとは嘆かわしい!」と叱れば、「その言われ方でぇ傷ついてぇ名誉もぉ侵害されてぇトラウマにぃなったので損害賠償!」と言われかねない最近の風潮。つくづくすごい世の中になったものだと思う。
漢字を飛ばしてひらがなだけで新聞を読んで笑わせてくれたのは「クレヨンしんちゃん」だが、そんなリアルな“しんちゃん”が我々の身の回りに登場しないとも限らない。
将来、映画のハイライトシーンの対決場面でのヒーローの台詞の字幕『オイッ(◎o◎)“#●$%&‘〜{}_?>*<☆ΛΘ‡フフフッ、トォッ〜〜〜タァァァ』
それを受けて悪漢の不敵な台詞の字幕『ナニッ(・_・;)!ムムッ〜¥@;¥▽」()〜▲×□/→◎、ギョエッゥ、ぐぅぅぅぅ』
映画の字幕が記号と絵文字だけの時代が来たら、私は映画を見るのをやめる。
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