賢人の雑学:東京生活、大阪暮らし
[賢人の雑学]
田中愛子の生活無比 (2007.06.24)

私の料理スクールが東京・自由ヶ丘にオープンしました。ということで、土日月は東京に、火水木金は大阪で暮らすというスケジュールになりました。東京の住居は青山6丁目にある息子のマンション。朝、カフェに立ち寄ると、客席の半分は外国勢。しっかり東京に腰を落ち着けて、日本語を不自由なく話せるビジネスマンたちです。何しろ日本の会社株の40%が外国からの投資で支えられ、株取引の80%が東京マーケットにあるというのですから、なるほどと頷けます。
ダイナミックに変化を続ける東京に、「一極集中」とか「格差」などという言葉が浮かびます。この状況は世界中にあり、イギリスはロンドン、フランスはパリ、アメリカはニューヨーク、中国は上海と、どの国も地方と大きな格差がついています。
20年ほど前に様々な国で仕事をさせていただいていた頃、ニューヨークでは浮浪者が路上に溢れ、セントラルパークも地下鉄も治安不安定で、経済も破綻していました。ベルリンの壁は壊され、ソ連のゴルバチョフの自由化の波がヨーロッパ中に広がり、経済状態は深刻でした。その頃日本はバブルの真っ只中…。あれ以来、どの国も解決の糸口が見つからない問題を抱えながら、人の英知と信念を横軸に、世界に広がる人のネットワークと信頼ある情報を縦軸に歩みを続けてきました。ニューヨークのとある不動産会社社長は女性でアフガニスタン人、オーストラリアの牧場主はチェコ人、ミラノのバッグメーカーのデザイナーはドイツ人と、様々な人に巡り会って交流は続いていますが、どの人の瞳にも深い憂いがあったのを忘れられません。
今この年齢で、東京と大阪を行き来しながら新しい暮らしが始まったのも面白いこと。早速マンションのお隣のイギリス人女性とお友達になりました。ミッドタウンで賑わう東京の今を楽しみましょうか。しかし、東京での楽しみは、そばと天丼。天ぷらはごま油の入った揚げ油でカリッと揚げて、天つゆにガバッとつけて、熱々ごはんにのせていただきます。香ばしい香りが東京を感じさせるのです。
筆者プロフィール

[料理研究家、エッセイスト] 田中愛子さん
バックナンバー
- [賢人の雑学] 田中愛子の生活無比 『シドニーのフードショー』 (2007.09.05)
- [賢人の雑学] 田中愛子の生活無比 『JCCA-AMERICA 日本食が世界を変える! From N.Y.』 (2007.08.31)
- [賢人の雑学] 田中愛子の生活無比 『夏本番。バーベキューの季節です』 (2007.07.05)
- [賢人の雑学] 田中愛子の生活無比 『メタボリックシンドローム』 (2007.07.04)
- [賢人の雑学] 田中愛子の生活無比 『東京生活、大阪暮らし』 (2007.06.24)



