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賢人の雑学:オーストラリアの水不足対策

[賢人の雑学]

森本剛史の深旅遠望

オーストラリアの水不足対策
森本剛史の深旅遠望
 

最近、讃岐うどんが値上げするかもしれないという話を聞いた。原料になるオーストラリア産の小麦が高騰していることに起因する。旱魃で生産量が減ったからだ。

この10年間、オーストラリアは旱魃が続き、各都市の貯水量がどんどん減っている。先月メルボルンへ行き、とある公園の前を通ったときに、樹木の脇に置かれた大きなゴミ箱のような物体を見つけた。スプリンクラーの代わりである。このボックスに小さな穴を開けたホースをつなぎ、ちょろちょろと水を出し、樹木に給水しているのだ。

オーストラリアの水不足対策州政府から各家庭に水規制の注意書きが配られていた。その規制もステージ1から4まである。数が大きくなるほど規制が厳しい。ステージ2を例にとってみると、庭の水撒きは朝6時〜8時、夜8時〜10時の間のみ。しかもノズル使用で水の無駄使いを防ぐ。車を磨くのにもホース使用は禁止、雑巾で拭かなくてはいけない…とまあ、こんな調子だ。

現在、メルボルンはより厳しいステージ3だ。貯水量は従来の34%しか残っていないという。庭への水撒きも番地によって決められていて、奇数番号の家は水曜日と日曜日、偶数は火曜日と土曜日のみ。メルボルン在住の日本人女性に聞くと「水がもったいないので4分間シャワーを浴びるのみ。そのときも体の周りにバケツをいくつか置いて、溜まった水を洗濯や家の掃除に使っていますよ」と言う。シャワーもノズルの穴も小さいものがよく売れ、バケツの売れ行きも好調だそうだ。

しかし、国民が悲壮感に打ちひしがれているわけではない。みんな不便な生活をエンジョイしているようだ。「国民が水に対して関心を持ち始めています。タダのように思っていた水をみんな大切に思い始めましたね」と件の日本人女性。罰則はないけれど、みんなルールを守って水を大切にしているという。世界的異常気象の今日この頃、僕は数年先の日本のことを想像した。

筆者プロフィール

森本剛史さん

[トラベルライター] 森本剛史さん

和歌山県新宮市出身。
立教大学時代(1970年)、初めての海外旅行を体験し、以来訪れた国は95カ国におよぶ。年間100日は海外。執筆した旅行ガイドブックは『エリアガイド バリ島』(昭文社)をはじめ19冊。旅行記を載せたサイト「旅好堂」が好評。
http://homepage3.nifty.com/ryokodo/

 

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