賢人の雑学:オーガニック文化の聖地 サンフランシスコ
[賢人の雑学]
森本剛史の深旅遠望 (2007.10.04)


僕たち団塊の世代が学生だった頃、「ヒッピー・ムーブメント」が全世界に広がった。その運動の中心となったのがサンフランシスコだった。ヒッピーたちは伝統的な制度へ反発し、コミューンを作り、マリファナを吸い、ベトナム戦争に反対、自然への回帰を志向し、東洋的宗教への関心を寄せた。サイケデリック、反戦、自然食、禅、密教、フリーセックスなどがヒッピー運動の構成要因だった。
サンフランシスコはアメリカの町の中では先進的、リベラルな風土で、人を「リスペクト(尊敬)」する気風だ。アメリカの新しい文化はこの町から始まるといっても過言ではない。差別をなくす公民権法案をいち早く認めたのもこの町だし、ゲイのコミュニティを認めたのもサンフランシスコだった。(事実かどうかは知らねど、地元では、サンフランシスコの女性警察官の半分はレズビアンだと信じられている)
この1960年代の「カウンターカルチャー」運動の「ラブ&ピース」の精神は、スピリチュアルを指向するニューエイジ・ブームに引き継がれ、現在はオーガニック(有機農法)文化に強く影響を与えている。
この食に関する運動は、一言でいえば「地球を守り、人々を守る」ということだろう。環境を汚染する化学肥料や農薬を使わず、安全な食材を味わうという、というのがサンフランシスコの人たちのライフスタイルだ。多くの人が、特にインテリ階層はこの「オーガニック」という言葉に敏感に反応するようだ。当然リサイクルや代替エネルギーの利用などのロハスな生活、スローフードの運動とリンクしていく。自分の生活を見直し、まわりの環境をグローバルな目で見渡し、エコロジー生活を指向していこうということだろう。
「ヒッピー発祥の地」から「オーガニックの聖地」となったサンフランシスコ。毎週火曜日と土曜日に、フェリー・プラザで、オーガニック素材のみの青空市が開かれている。エコ・ライフを目指す人にとっての新しい観光スポットだ。
筆者プロフィール

[トラベルライター] 森本剛史さん
立教大学時代(1970年)、初めての海外旅行を体験し、以来訪れた国は95カ国におよぶ。年間100日は海外。執筆した旅行ガイドブックは『エリアガイド バリ島』(昭文社)をはじめ19冊。旅行記を載せたサイト「旅好堂」が好評。
http://homepage3.nifty.com/ryokodo/
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