賢人の雑学:マレーシア独立50周年式典に行ってきた
[賢人の雑学]
森本剛史の深旅遠望 (2007.11.05)


先日、久しぶりにマレーシア旅行。今年、マレーシアは独立50周年なんですわ。8月31日に首都クアラルンプールで大掛かりな式典が企画された。
50ヵ国から450名を超えるジャーナリストが招待され、日本からは23人。その一員として小生もイベントに参加。ぼくが一番の年長ということで、団長に祭り上げられることとなった。何の権威も権利も、うまみもない。ただ記者会見の席上で観光大臣から「わが国によく来てくれました。テレマカシ(=ありがとう)」という表彰状をもらう役だけだった。
式典はムルディカ広場で行われた。ムルディカとはマレー語で「独立」の意味。朝8時過ぎ、まず民族衣装に身を包んだ高校生たちが広場に現れ、踊りを披露しパレードが始まった。観客15万人。南国の太陽の光が後頭部を突き刺す。気温35度。どえらい暑い。
続いて、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの退役軍人の行進があった。改めてマレーシアはコモンウエルス(イギリス連邦)の影響下にあるんだなと実感した。
目を引いたのは、「マレーシアの宇宙産業」の山車(だし)。車の上で宇宙飛行士の人形が地球をグルグル回る仕掛けで、この山車が登場すると、いっそう大きな拍手が沸き起こった。実は、この秋、ロシアの有人宇宙ミッションに参加し、マレーシア最初の飛行士ムスザーファー氏(医者)が宇宙に飛び立つのだ。
ところが、マレーシアの国教はイスラム教。ムスザーファー氏は、多分、世界初のイスラム教徒の宇宙飛行士だろう。マレーシアでは宇宙飛行を前にして、敬虔なイスラム教徒が宇宙船内でお祈りするときに、どうやってメッカの方角を決めるのか、無重力の中でどのようにしてひざまずくのか、ラマダーン(断食月)にはどうするのかと、国家的に侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論がたたかわされたそうだ。最終的には宇宙の特殊状況を考慮に入れ、船内での宗教的儀式は相当緩和されたらしい。アジアがどんどん宇宙に近くなっているね。
筆者プロフィール

[トラベルライター] 森本剛史さん
立教大学時代(1970年)、初めての海外旅行を体験し、以来訪れた国は95カ国におよぶ。年間100日は海外。執筆した旅行ガイドブックは『エリアガイド バリ島』(昭文社)をはじめ19冊。旅行記を載せたサイト「旅好堂」が好評。
http://homepage3.nifty.com/ryokodo/
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