賢人の雑学:お茶が大好きなウルグアイ国民
[賢人の雑学]
森本剛史の深旅遠望 (2008.02.29)


地球の裏側のウルグアイに行って、世界ナンバーワンのお茶好きはこの国の人たちだ、と悟った。町を歩く時にも、掌がいっぱいになるような丸い器を持ち、それに金属のストローを差し込んでチュチューとマテ茶を飲んでいる。回し飲みすることも普通で、これは「友情の印」らしい。 マテ茶は南米で採れるモチノキ科のイエルバマテの葉を乾燥させたもの。ビタミンや鉄分、ミネラル、カルシウムをたくさん含んでいて、地元では「飲むサラダ」と呼ばれている。野菜があまり採れないウルグアイの、栄養サプリメント的存在だ。脂肪を体内から排出させる効用もあるという。
もともとマテとは瓢箪製の容器を表す。現在、マテ壷は瓢箪以外に銀や銅などで作られたものも多く、お土産屋に行くと必ず棚に並んでいるほどだ。なんせ移動する時にも、お茶道具のセットを持っていく習慣がウルグアイにはあるんだもんね。首都のモンテビデオでガイドについてくれた観光局の女性スタッフは、牛革製の持ち運びケースに、マテ茶、丸いカップにボンビーリャと呼ばれる先端に小さな茶漉しの付いたストローを入れ、お湯が入った魔法瓶を毎日持って来ていた。
「マテ茶はウルグアイ人にとってはなくてはならぬもの。生活そのものです。会議の最中にも飲みますし、飛行機のパイロットやバスの運転手も脇においてチュッチュやっていますよ」と彼女の弁。実際に飲んでみるとまさにハーブティの香り。すっきりと爽やかな感じだった。隣国のアルゼンチン人は、「ウルグアイ人はマテ茶と水筒を持って生まれてくる」と言っているほどだ。しかしウルグアイではマテ茶の栽培はなく、隣国アルゼンチン、ブラジルから輸入している。
最初にマテ茶を栽培し広めたのは、南米に宣教に来たイエズス会の人たちだった。先住民のアル中の解決法として利用したという。地元では「マテ茶をご馳走になった人は必ず帰ってくる」という古い格言があるそうだ。もう一度ウルグアイに行かなくっちゃ。
筆者プロフィール

[トラベルライター] 森本剛史さん
立教大学時代(1970年)、初めての海外旅行を体験し、以来訪れた国は95カ国におよぶ。年間100日は海外。執筆した旅行ガイドブックは『エリアガイド バリ島』(昭文社)をはじめ19冊。旅行記を載せたサイト「旅好堂」が好評。
http://homepage3.nifty.com/ryokodo/
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