賢人の雑学:カントリー音楽の世界で大活躍の日本人
[賢人の雑学]
森本剛史の深旅遠望 (2008.04.30)


先日テレビを見ていたら、野球帽を横かぶりしたヒップホップ系黒人歌手ジェロが登場。いきなり、こぶしの利いた演歌「海雪」を歌い始めたのでビックリした。
「史上初の黒人演歌歌手」だ。ジェロの演歌を聴きながら、僕はアメリカのカントリー・ミュージックの本場で36年も活動しているマイク伊藤の姿を思い出した。まさにジェロの逆バージョンである。
アメリカの演歌ともいうべき、カントリー音楽の世界。ミズーリ州の「音楽の都」ブランソンは人口6000人あまりの小さな町だが、40以上の劇場を擁する「音楽の都」だ。毎日120ものショーが催され、年間800万人もの人が訪れる。マイクはブランソンの老舗バンド「ボールノーバーズ」の中心的メンバーとして、大活躍しているのである。担当はフィドル(バイオリン)、バンジョー、マンドリン、ウェスタン・ヨーデル。ブランソンのスーパースターのひとりで、僕は彼に現地で3回インタビューした。
そのマイクがこの3月、自叙伝を出版した。タイトルは「音楽から見える『アメリカ』 カントリー&ウェスタンとともに40年」(彩流社)。彼が1971年にアメリカに船で渡り、各地のライブハウスなどでコンテストに出場して連戦連勝する話や、演奏中に強盗に襲われたエピソード、アメリカのショービジネスの裏話、日本人への苦言など、面白い話が満載だ。
マイク伊藤は本名伊藤皓(ひろし)といい、東京の成城で生まれた。明治大学時代には軽音楽部に所属。「ブルーリッジ・マウンテン・ボーイズ」のメンバーとして鳴らした。「同じ部の1年先輩に宇崎竜童さん、奥さんの阿木燿子さんがいてね。阿木さんは当時から美人で有名でした」と笑う。
本の腰巻の推薦文は先輩の宇崎竜童。
「アメリカで生き、アメリカン・ミュージックを愛し続けてきた日本男児・マイク伊藤が語るアメリカど真ん中。決断の人、努力の人、天性の人、貫く人、運を引き寄せる人……その勇気、貰った!」。その言に嘘はない。
筆者プロフィール

[トラベルライター] 森本剛史さん
立教大学時代(1970年)、初めての海外旅行を体験し、以来訪れた国は95カ国におよぶ。年間100日は海外。執筆した旅行ガイドブックは『エリアガイド バリ島』(昭文社)をはじめ19冊。旅行記を載せたサイト「旅好堂」が好評。
http://homepage3.nifty.com/ryokodo/
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