賢人の雑学:極上の鉄板焼き
[賢人の雑学]
井村日登美の日々宿日 (2007.07.31)

ホテルのレストランのなかで大好きなのが「鉄板焼き」。目の前で素材の良さを確認できるごまかしなしの料理と味が好きで、自慢じゃないけど京阪神のホテルの鉄板焼きレストランはほとんど巡った。そのなかで最も美味いと思ったのが、今はなき「ホテルプラザ」。巧く表現できないが、神戸牛や松坂牛といったブランド肉ではない普通の牛肉が、ホテルプラザのシェフの手にかかると魔法にように美味しくなるのである。肉に風味があり、ポン酢の頃合いよろしく、とても口に合った。
ところが、先般その感動をぶっちぎりする鉄板焼きに出合った。場所は京都。ホテルは『グランドプリンスホテル京都』(旧・京都宝ヶ池プリンスホテル)である。レストランはフレンチ料理の「ボーセジュール」。正確に言うと、レストラン内に4月1日オープンしたばかりの「鉄板焼き」コーナーである。
シェフは高垣吉正氏。1986年にプリンスホテル入社というベテランシェフである。それだけではない。このシェフは。今年4月13日、ホテル業界唯一の「京野菜マイスター」に認定された京野菜のオーソリティーなのである。京都が好きで、京野菜が好きで、自分で毎朝農園から野菜を採って出勤というこだわりを持つ”京野菜博士“。シェフの京野菜のフレンチは、肉や魚よりは野菜の方が多い。それも趣向を凝らした内容なので、最後にこんなに食べたの? 野菜を…というニュアンス。技が光る、アイデアが豊富。一品一品に驚き、楽しみが募る。
で、肝心の鉄板焼きなのだが、これがフレンチのコース風仕立て。アミューズに始まり、デザートという流れの中で、メインデッシュが鉄板焼きなのである。それがね、一般的に想像する鉄板焼きと違うんだな、これが。吟味した肉を丁寧に焼き、塩3種類、醤油、野菜入りのポン酢風のタレに辛子も入れるなど、計6種類の味を用意。高垣シェフ曰く、「同じ肉を違う味で楽しんで欲しい」。
そして洋風スープに真鯛を使用した”お茶漬け“。さっぱりとした味付けで「食ったあ」の満足感のなか、最後はエンドウ豆のアイスクリームで締め。さすが、京野菜博士!
筆者プロフィール

[ホスピタリティ研究所「エイチ・ワン」代表] 井村日登美さん
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