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賢人の雑学:タックスヘイブンは現代の必要悪か?

[賢人の雑学]

中 博の複眼涼視

タックスヘイブンは現代の必要悪か?
中 博の複眼涼視
 

英会話学校最大手NOVAが会社更生法を申請し、事実上倒産したことは記憶に新しい。善良な生徒の予約金約700億円が闇に消えたわけだ。この会社の断末魔の際、その筋では有名な株式ブローカーが登場し、64億円という巨額の資金調達話が出たが結局幻の話となり、NOVAの息の根はとまったという。この話の過程で私はオヤッと思った。新しい資金調達先のファンドが「タックスヘイブン」に所在する投資機関であったからだ。

日本語にすれば、いわゆる「租税回避地」。それだけに納税意識の高い普通の日本人には脱税、マネーロンダリングなど悪徳の場所に理解されがちだ。そういうダーティな側面が今もあることは否定できないが、国際的、先端的ビジネス社会では、このタックスヘイブンを抜きにして今の世界戦略は語れないといったら、多くの日本人は眉をひそめるに違いない。しかしこの怪獣の身長体重を解説すれば、この怪獣がウルトラゴジラだと認識するだろう。

現在、世界の銀行の国際的活動の半分はタックスヘイブンを通じて行われており、いまやそれなしに世界のお金は回らない仕組みができあがっている。米国企業の場合それは相当部分だと思われる。

さらに多国籍企業の海外投資の流れの3分の1は同じくタックスヘイブンを通過している。海外で著名な日本企業のほとんどは関係していると見るのが自然だろう。今日、中国への投資が盛んだが、中国への投資国の1位、2位はタックスヘイブンである。

企業がやれば当然個人も行う。特に大金持ちは敏感に対応する。個人がこうした機関を利用する金額はなんと11兆5000億ドル。日本円で1300兆円というとてつもない額である。最近の大阪のお金持ちで日本の銀行にお金を預けている「アホ」はいないという。ほとんどが香港はじめオフショアーを利用している。知らぬはわれわれ庶民だけである。

最近のデータによると給食費を払えない生徒が100万人を超えたという。日本は天国と地獄が同居しているのか。

*参考資料『タックスヘイブン』(作品社)

 

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